チリン・・・・・・チリン・・・・・・
ミーン・・・・・・ミーン・・・・・
西洋苧環
風鈴の音と蝉の声とが混ざり合い、暑さがどこか和らいだ、ある夏の日。
「土方さァーんvv お茶入りましたよv」
陽気な声が蝉と風鈴の音を掻き消す
しかし、襖の向こうからは、返事が返ってこな
い。
「入りますよー」
すーっと襖が開き、総司がひょっこり顔を出す。
「土方さん?お昼寝ですかァ?もう夕方ですよーー!」
適当な書物を枕に、横になっていた土方はチラリと総司を見た。
だが、直ぐに 再び眠りの世界に入り込もうとした。
「土方さん!!もう、約束わすれちゃったんですかァ?今夜は花火に連れて行ってく
れると言いましたよねェ!」
総司の揺さぶりにゆっくりと体を起こす。
「少しは静かに出来ねぇのか、総司。」
むっつりとした土方に、総司はにっこりと怯まず答えた。
「約束ですよね?vv」
有無を言わさない笑顔に、土方は溜め息をついた。
「まだ明るいじゃねぇか。花火は暗くないと見えねぇだろ。」
「もう!あの花火は人がたくさん来るんですよ?早く行かないと良い席がとられちゃ
うじゃないですかァ!」
いつになく子供っぽく、必死に誘う総司に、土方は不審に思った。
「何でそんなに行きたがるんだ?花火なら毎年良い席で見てんだろが。わざわざ離れた所のまで行く必要はないと思うが?何かあるのか?」
すると、総司はさぁっと頬を朱に染めた。
「とっ、とにかく!約束は守って下さいね!」
総司はそう言い捨てると、さっさと退散してしまった。
「・・・・・・・・?」
訳はわからないが、あの様子だと行かない事にでもなったとしたら、後々大変だろ
う。
仕方ない、行ってやるかと思い、もう冷めてしまったお茶を口に含み、その渋さに顔
をしかめた。
**************
「土方さァ〜〜ん!!こっちですよーこっち!!」
子供のようにはしゃぐ総司を見て、まぁ総司が楽しんでいるから良いか。と苦笑しな
がら土方は後ろをついていった。
それにしても、本当に人が多い。総司が早く行こうと言っていたのも解った。
少 し離
れただけではぐれそうだ。すると、思ったそばから、前方にあった総司の姿が急に見えなくなった。
探そう と動こうにも、人が行く手を阻んで身動きがとれない。
その上、流れが総司がいた方から離れる形になっていった。
まぁ、総司も大人だから、離れたからといって別段困らないだろうと、土方は思い、流れに身を任せて人の少ない所へ出ようとした。
しばらく人の流れに沿って歩いていると、花火をやる反対側の人気の少ない道を見つけ、そちらの方に向かって歩いていった。
「ふぅ・・・。何でこんなに暑いんだ・・・。」
どっと疲れがきて、人ごみの熱気で暑くなった身体が、夜の風で冷めていくのを感じ
た。
ガサッ・・・
「・・!!」
急に、今まで人気のなかった所から人が出てきた。
「!!!」
土方は驚きながらも、身を引こうとしたが、あまりに近くに居たために間に合わな
かった。
がしっと腕を掴まれ、その者の身体に引き寄せられてしまった。
「っっ!?」
気づいた時にはもう遅かった。
土方は誰だかも解らない人物に唇を相手のそれで塞が
れた。
ピューー・・ドーーーン・・・パチパチ・・・
花火が始まったらしく、遠くの方で人々の歓声が聞こえた。それと同時に、一瞬の光で相手の顔が浮かび上がった。
碧色の黒髪に、整った顔立ち。漆黒の瞳は、見つめられたら射られてしまいそうだっ
た。
土方はやっと解放された唇で言葉を紡いだ。
「・・吉田?!」
その人物は吉田稔麿だった。
「一人で花火を見るなんて趣味があったのか?土方。」
微笑とともに、それまでもが妖艶な声が、土方の心に絡みつく。
「なっ・・・っ!」
言い返そうとすると、またもやそれを許さない吉田の口付けに、土方は頭が可笑しく
なりそうだった。
「っん・・・!」
一向に離される気配を見せない口付けは、激しくなっていった。
土方の舌は、吸われ絡めとられ、息が出来ず、恥ずかしさと苦しさで顔が赤く染まっ
た。
暗くてそれを見られないことだけが、唯一の助けだったが花火が打ち上げられる度に、互いの端正な顔が見え隠れし、さらに顔を赤くした。
「っはぁ・・・・いいかげんに・・・」
やっと息苦しさから開放されたかと思うと、今度は吉田の唇は土方の首筋を吸い上げ
ていった。
そして、吉田の手は土方の着物の中へと侵入していく。
「!!」
ひんやりとした冷たさが、熱った身体に触れ、ビクッとした。吉田の唇が下に降りていくに連れ、少しずつ肩が露わになっていく。
熱が体中を支配し、頭がぼうっとしていき、もう土方は如何することも出来なかった
・・・。
*************
「土方さァーーん!もう、どこに行っちゃったんですかー」
総司は一人、人ごみの中をしょぼくれながら歩いていた。
「折角一緒に来たのに・・・・」
「あれーー?総司じゃないの。どしたの?一人でー」
振り向くと、そこには新八と平助が居た。
「あっ、さてはアレ目当てで土方さんと来たなァー?」
シシシ・・・といった感じの笑い方を二人はしていたが、総司が何の反応もないので、不安になった。
「ちょ、ちょっ!どうしたのサ?」
新八が訊くが、何も答えない。
「あー・・・あれだネ・・。土方さんがいないところを見ると・・・」
「振られちゃったんだね★」
ビシっ!!!っと平助に、新八の裏手ツッコミが入った。
「うォっ!?」
「えっと、総司!!平助の言ったことなんか気にしない方が良いヨ!」
しかし、総司はもう心ここに在らずといった感じで、フラフラと去って行ってしまっ
た。
「新八っつぁん・・・俺もしかしてイケナイこと言っちゃった??」
「だネ・・・。でも、総司の奴可哀想だなー。きっと、あの噂聞いて来たんだろネ。」
「一番初めの花火が上がるとき、口付けを交わすと結ばれるってやつ?あれ、信じて
たんだな〜、総司。可愛い〜vv」
「っておい・・・さっきそう言って誘ってきたのは誰だヨ・・・(呆)」
「新八っつぁんたら、つれないこと言わないのvVvV」
総司は、二人の惚気を背に、先ほどの暗さを吹き飛ばし、プンプンと、土方への怒り
を露わに歩いた。
「もう!土方さんってば!今度は汁粉屋に付き合ってもらいますからね!!」
そう、一人ごちた。
実は総司は、ただ単に土方と一緒に出かけたかっただけだった。
***********
ちょうどその時、吉田は困っていた。
「・・・・・。」
吉田の胸には土方がぐったりと埋まっている。
「まさか、熱があったとはな・・・。」
土方は、気を失っていた。
吉田は土方の綺麗な顔に黒い髪がはらりとかかっているの
をかきあげた。
「全く・・・しょうがないな。」
土方の顔を愛おしそうに眺め、そっと土方の唇に口付けをした。
フっと、吉田は微笑し、空に打ち上げられている花火を仰いだ。
土方の熱に浮かされた顔は、より一層艶かしく見えた。
END
*********あとがきと表した懺悔 *********
こんなことになってしまいました・・・(ガタガタガタ)
華音のリクは、「吉田×土方・甘々・土方を可愛く」・・・・・。
難しぃぃーーーしぃぃーーーぃぃぃ・・・
しかも、何か「吉田×土方←総司」っぽいし・・・。
でも、初めての小説ってことで多めに見てください★★
シェリでしたvvvv
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いぇいぇ!!そんなことない!!
思いっきりリク通りですよぉ〜vV
土方さんは可愛いし、稔麿さんもNICEな紳士だし★
でも、一番の驚きは平新がコッソリと入っていた事!!
もうシェリちゃん、大好きvV
どうも有難う御座いました!!
★☆華音より☆★
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